人が1日のうち長い時間を過ごす家。最近はテレワークの普及で、仕事もプライベートも家で過ごしている人も多いでしょう。省エネや節電など、住みやすさだけではなく環境への配慮を意識した住宅もどんどん増えてきました。
そんななか、日鉄興和不動産は10月22日に環境自然配慮型分譲マンション「グランリビオ浜田山」のモデルルームをグランドオープン。2023年10月竣工、2023年12月入居予定のグランリビオ浜田山ですが、どのように地球への配慮や次世代に自然環境を残そうとする取り組みを取り入れているのでしょうか。どのような点が環境自然配慮型なのか、10月13日に行われた内覧会を取材しました。
日鉄興和不動産が手掛ける都市型ハイグレードレジデンス「GRAND LIVIO(グランリビオ)」
グランリビオ浜田山は、京王井の頭線「浜田山」駅から徒歩9分のところに位置する物件。地上3階地下1階建てで、総戸数84戸の分譲マンションです。良好な住環境を保護するために、都市計画で定められた「第一種低層住居専用地域」に位置していて、周辺は低層住宅が立ち並ぶ住宅街が形成されています。
「リビオ」はファミリー向け「LIVIO(リビオ)」の他、都市型コンパクトマンション「LIVIO RAISON(リビオレゾン)」、ハイグレードマンション「GRAND LIVIO(グランリビオ)」など、顧客ニーズに合わせて多彩なラインナップを展開。そのなかでも今回の「GRAND LIVIO(グランリビオ)」は最上位ブランドの都市型ハイグレードレジデンスとして、2022年10月から順次販売が開始されています。
グランリビオは今回のグランリビオ浜田山の他に「グランリビオ表参道」、「グランリビオ市谷砂土原」の3物件。それぞれにコンセプトや仕様が異なりますが、グランリビオ浜田山は「次世代に受けつがれる住まい」をコンセプトにした建築計画が行われています。
既存樹木の活用・生物多様性に配慮したランドスケープ
杉並区にある浜田山は閑静な住宅地で緑も多く、駅前の商店街も充実したファミリーに評価の高いエリアです。立地特性としては北側に善福寺川緑地、和田掘公園が連なり、大小の公園が点在。武蔵野の自然や歴史を身近に感じられる一方で、都心へのアクセスもいいところが人気です。
グランリビオ浜田山はそうした自然豊かな環境を取りこぼすことがないよう、緑に囲まれていた旧建物を活かす工夫がされています。ひとつ目の特徴は、建物と庭が共存する「庭屋一如(ていおくいちにょ)」を取り入れている点です。
「庭屋一如」は建物と庭が一体化している伝統的な考え方。緑豊かな中庭を中心に、建物が取り囲むような配棟計画になっています。それだけではなく、中庭に面したエントランスラウンジと中庭には四季折々に咲く植樹を選定するなど、中と外で植栽のつながりを意識。木の高さも高低を計算して配置することで、森のようなプライベート空間を作りました。
また次世代に受け継がれる住まいにすべく、旧建物庭園にあった樹木を保全したことも大きな特徴です。通常新たな建物を建築する際には旧建物の植物は伐採され、新たに植栽されるケースがほとんどだとか。しかし、今回は従来の樹木のうち、状態のいいものや近隣住民に親しまれてきた植栽を合計で4本保全しています。現在は仮移植をしており、建物が完成した際には中庭に植樹することで木を引き継いでいるのだとか。
さらに、自然豊かな浜田山の自然環境を調べるため、生物多様性ポテンシャル調査を実施。これによって建物周辺に生息する植物や生物を調べ、野鳥や鳥が建物敷地内にも飛来できるような植栽計画を施しました。巣箱やバードパスも設置する予定で、生物多様性に配慮しながら暮らせるように計画されています。
分譲マンションとして初の4つの環境認証を同時取得
そしてなによりも注目したい特徴が、分譲マンションとしては初めてとなる4つの環境認証を同時取得し、自然環境に配慮している点です。
まずは生物多様性保全に配慮したABINC認証。これは「一般社団法人いきもの共生事業推進協議会」が生物多様性の保全を目標に、環境づくりや維持管理、地域のコミュニケーションについて評価した物件に与えられるものです。鳥の巣箱やバードパス、エコスタックなどを設けることで、浜田山に生息する鳥たちとの共存を育む点が評価されたそうです。
また、緑の取り組みを評価するSEGES認定も取得。これは企業などによって創出された良好な緑地と日ごろの活動・取り組みを評価し、社会・環境に貢献しつつ良好に維持されている緑地だと認定する制度です。敷地に受け継がれた既存樹木を活かし、多数の高木から低木までを配置した植栽計画を行っている点が評価されました。
省エネや脱炭素の点からも高評価。ZEH(ゼッチ)認定も取得
さらに杉並区の分譲マンションでは、初めてとなるZEH認定のうちの「ZEH oriented」と認定低炭素住宅を同時取得しました。外側の断熱性能などを大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムで室内環境の質を維持しつつ、大幅な省エネルギーを実現しています。年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロにすることを目指す住宅がZEH(読み方「ゼッチ」:ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)です。
グランリビオ浜田山は断熱性の向上や、効率的な設備・システムの導入により、一次消費エネルギー20%以上削減していることからZEH認定を取得できました。
そして、日常生活の中で発生する二酸化炭素の抑制対策が取られた住宅である、「認定低炭素住宅」にも認定されています。ユニットバスの節水システムの完備をはじめ、節水対策や建築物の低炭素化が評価されました。
実際にモデルルームを内覧させてもらうと、リビングの窓から大きな中庭が見えて、室内の開放感がすごかったです!
断熱性の高さの理由を聞いてみると、大きな窓には「Low-Eガラス」というガラスを使っていることが秘密なのだそう。これはガラスの表面にLow-E膜といわれる特殊な金属膜(酸化錫や銀)をコーティングしたガラスのこと。
ガラスの遮熱や断熱性能を向上してくれるのだそうです。これによって夏は涼しく、冬は暖房熱を外に逃がさなくなり、過剰な冷房や暖房を抑える効果を期待できます。
グランリビオ浜田山を取材したことで、東京にいながらも自然を次世代に残し、地球環境に配慮した暮らしができるマンションの可能性が見えてきました。今後は、生物多様性保全に配慮したABINC認証や、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロにすることを目指すZEH認証などの環境認証を取得しているかどうかも、住宅選びのポイントになるのではないでしょうか。
今回の内覧会に登壇した日鉄興和不動産開発推進部長の茂見匡泰さんによると、同社は自社のマンションブランド「リビオ」が昨年20周年を迎えたことを記念して、リビオのブランドロゴとコンセプトを「Life Design! with LIVIO(人生をデザインしよう、リビオと。)」に一新したそう。そんな日鉄興和不動産の取り組みや展開、そして業界全体における環境配慮型住宅の動きに、今後も注目したいです。
【参照サイト】日鉄興和不動産「LIVIO(リビオ)」
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