お風呂の残り湯を洗濯に活用している家庭は多いのではないでしょうか? そこで気になるのが、残り湯にあるかもしれない細菌や汚れの問題。エコで節水効果はあっても、洗濯物が雑菌まみれになってしまうのであれば意味がありませんよね。しかし、家庭のお風呂の残り湯程度であれば心配はないんだそう。今回は洗濯にお風呂の水を使うメリットや、注意したいポイントについて解説します。
お風呂の水を洗濯に使っても大丈夫?気になる衛生問題
家族全員が入った後のお風呂のお湯を洗濯に使う時に気になるのが、細菌の繁殖。衛生微生物研究センターの調査によると、家族3人が入浴した場合、入浴前のお湯には1mlあたり40個ほどだった細菌が入浴後には360個に増加します。もちろん、入浴する人数が増えるにしたがって、細菌の数も増加。しかし、この程度であれば、洗濯の際に洗剤が細菌や汚れをしっかりと洗い流すこともあり、あまり心配はありません。
節水効果だけじゃない!洗濯にお風呂の水を使うと汚れ落ちがアップ
洗濯にお風呂の残り湯を使う目的として、節水や環境問題のことを挙げる方が多いのではないでしょうか? しかし、効果はそれだけではありません。温かさの残るお湯を使うことで、さらに次のようなメリットも得られます。
洗剤に含まれる酵素のはたらきを活性化
入浴直後のお湯の温度は40℃前後で、ちょうど洗剤に含まれる酵素のはたらきをよくする温度のため、汚れ落ちがアップします。
皮脂汚れはお湯で溶かして落とす
衣類についた皮脂汚れや油汚れは、温かいお湯によく溶けるため、汚れ落ちがよくなります。
こんな使い方はNG!お風呂の水を洗濯に使うときの注意点
お風呂の水を使った洗濯では節水にもなって汚れ落ちもアップしますが、次のようにいくつか注意すべき点もあります。
翌日の洗濯には使わない
お湯の中にいる細菌は入浴直後であれば数〜数十倍程度の増加ですが、一晩経った後だと約1,000倍に! また、翌朝にはお湯の温度も下がっているため、汚れ落ちの面でも、あまり期待できません。翌日に洗濯するのであれば水道水を使う方がよいでしょう。
すすぎには使わない
お風呂の残り湯は洗剤を使う「洗い」の工程のみに使い、「すすぎ」はきれいな水道水を使うようにしましょう。きれいに洗った洗濯物を細菌や汚れの浮かぶ残り湯ですすいでしまうと、本末転倒です。
入浴剤を入れたらつけおき洗いには使わない
パッケージに「洗濯不可」と書かれていなければ、ほとんどの場合、入浴剤を使用したお湯であっても洗濯に使えます。ただし、色移りのおそれがあるため、つけおき洗いには使わない方がよいでしょう。
お風呂の水を使ってかしこく洗濯しよう
節水・環境負荷の低減だけでなく洗濯物の汚れ落ちもアップする、お風呂のお湯を使った洗濯。脱いでから時間を置かず、衣類に汚れやシミ・においが定着してしまう前に洗える点も、お風呂の残り湯を使った洗濯のメリットです。入浴直後に洗濯する・すすぎには使わないといった点に注意して、かしこく残り湯を活用したいですね。
(監修:曽我 美穂)
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【参照サイト】風呂の残り湯は使っても良い?
みすみぞの いずみ
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