女性の社会進出が当たり前となり、夫婦共働きの家庭が増えたものの、あいかわらず家事や育児といった家庭の仕事は、妻が多くを背負っているケースがいまだに多いのが現状です。妻は不公平感や不満を感じていても、そのことをうまく説明できなかったり、もういいやと諦めてしまったり。しかし納得できないままにしていると、夫婦間の溝が深まるきっかけにもなりかねません。今回は妻に偏りがちな家事や育児を、「家事の可視化」で解決する対策を考えていきましょう。
家事はタスクの可視化で夫婦間のズレを修正
妻は夫の家事や育児に対する協力が足りないと感じているのに、夫は十分参加していると自負しているなど、お互いの認識が合わないケースも少なくありません。それは家事や育児の細かいタスクを夫が把握できていないことが原因。しかし日々の細かいタスクは、やったことがなければどうしても分からないものです。家事や育児の分担でイライラや不満を感じているなら感情をぶつけるよりも、理解してもらえるように抱えているタスクを可視化して、論理的に話し合いましょう。
家事を可視化するポイントは「現状把握」
家事や育児タスクの可視化のポイントは「現状把握」。まずはどんなタスクがあるのか、誰がどのくらい担っているのかを洗い出すことが大切です。やり方は手書きでリスト化したり、エクセルで作成したり、またはアプリを活用する方法もあります。いずれも夫婦ふたりがやりやすく納得した形であればOK。次のような点を意識しながらおこなっていきましょう。
タスクはできるだけ詳細に
家事なら「料理」「掃除」「洗濯」など大きなタスクではなく、作業単位の小さなタスクまで可視化することが重要です。たとえば「米を研ぐ」「各部屋のゴミをまとめる」「洗濯槽に溜まったホコリを捨てる」など。このような「名もなき家事」に夫が気づいていない場合も多く、家事タスクに対する認識のズレの大きな原因。家事や育児には当事者の他には気付きにくい、小さなタスクがあることを共有することが大切です。
グラフや数字で具体的に可視化
次に家事や育児を、全体に対しどのくらいの割合で担っているのかを可視化しましょう。グラフや数字、色分けなどで分かりやすくするのがおすすめです。可視化することで、お互いがどの程度家事や育児のタスクを担っているのか、はっきり見えるようになります。
冷静に現状を見つめる場に
たとえ妻が多くのタスクを担っていることが明らかになったとしても、できない夫を責める場ではないのを忘れないようにしましょう。あくまで現状を把握し、これからよりよい方向に向かうための場。今やってくれていることを認め合い、次のステップに進みましょう。
可視化した家事タスクをベースに分担について話し合おう
わが家にはどんな家事・育児タスクがあるのか、それぞれ妻と夫がどのくらいの割合で担っているのかはっきりできたら、いよいよタスクの分担について見直しましょう。とはいえ、むやみに分担すればよいわけではありません。次のようなポイントに気をつけながら話し合うことが大切です。
一方的にタスクを突きつけない
家事や育児を多く担う妻が平等さを求めるあまり、夫に一方的にタスクを突きつけるようなことはNG。まずは相手を思いやる気持ちや愛情が根底になければ、夫婦間の軋轢やトラブルに発展しかねません。家事を可視化し、タスクを分担する前に、相手への思いやりを持ちましょう。
理想の暮らしを共有する
夫婦間であっても、理想の暮らしのかたちは異なります。「部屋はすみずみまでピカピカにしておきたい」「多少散らかっていても気にしない」「食べる物にはこだわりたい」など、暮らす上で重視したいポイントはそれぞれ。どういう暮らしをしたいのか、お互いの目指す方向性を共有し、タスクの分担に取り組みましょう。
タスクごとに責任を持つ
担当を決めたタスクにはきちんと責任が伴うことをお互い認識しましょう。決めただけで実行に移せないような分担では意味がありません。そのためにもお互いが納得のいく分担にすることが大切。話し合いの時点で不満が残ると、後々もめごとやケンカにつながりかねません。まずはしっかりと話し合い、納得のいく分担にしましょう。
便利なアイテムやサービスも活用して夫婦の負担減
話し合って分担したものの、毎日忙しく時間や気持ちに余裕が持てずに、決められたタスクもこなせない……ということもあるかもしれません。そんなときは遠慮なく頼れるものに頼りましょう。 最近ではハイスペックな家電も多く販売され、それらを上手に使うのもおすすめ。また家事代行など便利なサービスも活用することで、夫婦の負担は大きく減らせて、暮らしや気持ちににゆとりが生まれるでしょう。
足りないのはコミュニケーション?
家事や育児のタスクに対して、夫婦間で認識のズレが生まれるのは珍しくありません。とくに子どもが生まれると、ゆっくりと話し合う機会も少なくなります。お互いに「どうして分かってくれないの !?」と思っているのは、コミュニケーションが足りないのが理由かも。まずは時間を作り、お互いの気持ちを「可視化」させることから始めてみましょう。
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みすみぞの いずみ
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