非日常空間で五感を解放する、没入体験型メディテーションスタジオ「Medicha」体験レポート

人は昔から自然の中で身体感覚を養い、生きるための情報を集めていました。「身心一如(しんしんいちにょ)」という言葉があるように、心と体はつながっています。体を整えることで、心の健康を保つことができます。現代に暮らす私たちは、物事をすべて頭で考えてしまいがちです。「考える」のではなく「感じる」。自分の体の感覚に意識を向け、心の声に耳を傾けてみる。たまにはそんな時間も必要なのではないでしょうか。

南青山にある没入型メディテーションスタジオ「Medicha(メディーチャ)」は、都会の真ん中で五感を解放し、心と体を整えてレジリエントな自分になれる場所です。

今回は、ハーチ編集部スタッフで、南青山のMedichaのスタジオを訪問。最新のテクノロジーとアート、和のしつらいで五感を刺激するプログラムを体験しました。

Medicha(メディーチャ)で過ごす、癒しの時間とは?

Medichaレセプション

Medichaは、最新のテクノロジーを採用した癒しの空間の中で「自分に余白をつくる贅沢な時間」を手に入れることができる場所です。メディテーションやアロマ、お茶といった癒しのアクティビティで、心と体の両面をセルフコンディショニングします。

まずは導入のステップ「01.Tune In ・光」と「02.Open Up ・音」で五感を解放し、次の「03.Shift・ガイダンスメディテーション」で内面を整えていきます。最後の「04. Align・茶」では、美味しいお茶を味わいながらプログラムで得た気づきを自分の中に落とし込みます。ステップごとに部屋を移動し、光や音、香り、振動を全身で感じながら五感を解放していきます。

プログラムのメインである、ガイダンスメディテーションは日本語と英語のどちらでも選択可能。日本語コースには初心者にオススメの「My Core」「Feel the Sound」と、「Clear」「Reset」「Visualize」の5種類が用意されています。

今回は初心者向けのコースの中から、”大切なもの”を見つめなおし、前向きに気持ちを整える「My Core」を選びました。

プログラムは普段着のままで参加できます。フィッティングルームも完備したロッカールームに、携帯を含めたすべての荷物を置き、手ぶらでスタジオへ向かいます。床の感触を楽しめるように、スタジオ内は基本的に素足で過ごします。

「01.Tune In」・光

Medicha-Tune In

モデル:岡本あずさ・柳澤宜典 撮影:間澤智大

最初の導入ステップである「01.Tune In」と「02.Open Up」では、光と暗闇の部屋を自由に行き来できます。そうすることで自律神経が整い、その後に続く瞑想の効果が高まります。

最初に「Tune In」の部屋のドアを開けた瞬間、目が覚めるような眩い光に驚きます。真っ白で何もない、まるでSF映画の中に入り込んだような非日常的な空間に、最初は少し不安になるかもしれません。部屋の中は少し寒いと感じるくらいの温度設定。真っ白な壁を見つめながら、音や光に浸り時間を過ごしていると、徐々に心が落ち着いてきて、さまざまな考えが頭に浮かんできます。

「02.Open Up 」・音

Medicha Open Up
「02.Open Up」は対照的に暗闇の中で、自分を緩める時間。目が慣れるまでは座る場所さえわからない、静かな闇の中、唯一の光は天井の灯り。1/fゆらぎ(※1)を感じるライティングは、まるで大自然の中で迎えた夜に見上げた満天の星空のよう。風景画(点)をイメージしてデザインされた6.1マルチチャンネルによる音響空間の中で、心も体もリラックスした状態に整います。
(※1)自然現象に見られるノイズで、自律神経が整えられるといわれています。

「03.Shift」・ガイダンスメディテーション

Medicha 瞑想
竹に囲まれたドームが印象的な「03.Shift」は、自分の内面を見つめるステップ。心理学や神経科学を取り入れたガイダンスメディテーション(※2)を、30分間受けていきます。腰を下ろしたら、ガイダンスに集中できるよう、アーユル・ヴェーダをベースとしたUMA(ウマ)のアロマオイルを手首につけます。深く香りを吸い込み、呼吸を整え、軽いストレッチで体をほぐしたら、メディテーションがスタートします。
(※2) 音声ガイダンスに従って瞑想を行います。

まずは、ガイドの声に導かれ、自分の身体の存在に意識を巡らせます。和の伝統とアートが施された美しい部屋の床に手を置くと、指先から木のなめらかな質感や音に共鳴した振動が伝わります。ゆっくり息を吸うと感じる、周囲に残るアロマの香り。視覚と聴覚、触覚、嗅覚のすべてを使い、今いる場所と身体のつながりを感じていきます。

ガイダンスは徐々に、体から心へ、意識を向けていくよう語りかけます。「My Core」のコースの目的は、自分の中にある「大切に思うリソース」に気づくこと。過去に見た美しい景色や苦い記憶を思い浮かべているうちに、それらすべてが今の自分を形づくる要素であり、大切なリソースであることが見えてきます。

「04. Align」・茶

Medichaお茶

最後の「04. Align」では、茶室に移動して、これまでのセッションをふり返ります。部屋に入ると、卓上に用意された、茶道家/煎茶美風流 四世家元の中谷美風先生が監修の「しつらい」に目を奪われます。

まずは棚に並ぶ鮮やかな茶碗の中から、気に入った茶碗を1つ選びます。急須の横に用意されているお香が消えるまでの20分間、奈良のほうじ茶と、季節に合わせたお茶菓子を味わいながら、少しずつ日常へ戻る準備をします。テーブルにはペンとメモが用意されているので、その日に気づいたことを書き記し、持ち帰ることもできます。

「自分に余白をつくる」場所、Medichaのあるくらし

プログラムを体験した後、ディレクターの長嶋さんに、Medichaが提案する「自分に余白をつくる」ことの意味や、オススメの利用方法について、お話しを伺いました。

日常から離れ、自分に「余白」をつくる場所

Medichaの利用者はどのような方が多いのか長嶋さんに尋ねると「利用者の6割程度が女性ですが、男女問わず、会社員、経営者、主婦の方まで、さまざまな方が通っています。自分の感
情を整えることで、対人関係が豊かになったと感じてくださる方が多く、医療従事者や、
育児・介護など普段誰かのケアをしている方もよくお越しになっています。また、経営者
やクリエーターの方も多いです。大きな決定を行ったりゼロから何かを生み出したりする
ときに、一度頭の中を空にすることで思考がクリアになるとのお声をいただいています。」という答えが返ってきました。また、個人ではなく、デートスポットとしてカップルで利用するケースや、会社のプロジェクトチームメンバーなどグループで利用されることもあるそうです。

Medichaでの時間に、利用者の方がどのような効果を感じているかについては、「ここ
では自分だけの時間に浸り、身体や気持ちを緩ませることができる。目的は違えど、多く
の方が、毎日の生活でいっぱいになった自分に”余白をつくる”ことで、大切なものに気づ
いたり、”良い調子”を取り戻したと実感されています。」というように、自分を整えるこ
とができたと感じている方が多いようです。

五感を刺激し、レジリエンスを高める

Medichaを初めて利用した人は、頭の中のものをいったんゼロにして、心と体に向き合うことの心地よさを実感したという感想を述べることが多いとのこと。「何度か通っていただくうちに、コツを掴めば、必要な時にセルフコンディショニングできるようになります。自分で自分を回復する”レジリエンス”を高めていくことが、今の私たちには大切なのではないでしょうか。」と長嶋さんは言います。

実は長嶋さん自身にも毎日の仕事の中で、自分を緩めて整えることが難しいという経験があったそうです。「私も以前は、空いている時間があれば仕事、という過ごし方をしていました。忙しい生活は楽しくありつつも、家族との時間が上手くとれないことに悩んだ時、友人の勧めで海辺など好きな場所で敢えて何もしない時間をとるようにしました。そうしていくうちに、仕事に没頭することで、当時抱えていた別の問題から逃げているだけだということに気づきました。”余白の時間”を取り入れて、自分の感覚に素直になる状態をつくる。そうすると大切なものに立ち返ることができ、前向きな一歩が踏み出せます。」

Medichaを日常に取り入れる

髪を整えて気分を変えたい時にヘアサロンに行くように、自分へのご褒美や癒しの場としてMedichaがある。そういう意味も込めて、ヘアサロンやSPAが多い、南青山にスタジオを構えたとのこと。そんな長嶋さんに今後の展開について聞いてみました。

「利用される方の回数、頻度は人それぞれです。疲れていると感じた時や、日常から離れて頭の中をリセットしたいと思った時が、利用するのにベストなタイミングだと思います。近い将来、美容室やSPAに行くのと同じように、2〜3ヶ月に1度『今日はMedichaで、自分を整えに行こう』と思ってもらえるような場所にしたいです。Medichaが、多くの人の日常で当たり前の存在になって欲しいと思います。」
お茶 Medicha

編集後記

体験を終えて外に出ると、太陽の日差しがいつもよりも眩しく感じました。「五感を刺激することにこだわりたかった」と長嶋さんが言うように、Medichaを体験する以前と比べ、身体感覚が研ぎ澄まされ、心が軽くなっているように感じました。「自分を緩めたい、心と体を整えたい」時に、日常モードをオフにできる場としてMedichaがある。そんな場所があることで、私たちの心にもゆとりが生まれ、ウェルビーイングな生活を手に入れることができるのではないでしょうか。

Medicha(メディーチャ)スタジオ情報

・所在地:〒107-0062 東京都港区南青山5丁目3-18 ブルーサンクポイントC棟 B1F
・アクセス:東京メトロ銀座線・千代田線・半蔵門線「表参道駅」A5出口徒歩4分
・公式サイト:Medicha
・Instagram:https://www.instagram.com/medicha.jp/
・Facebook:https://www.facebook.com/medicha.jp/

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Life Hugger 編集部

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