【家事代行スタッフの方へ】大切なお客様への気遣いをお持ちですか?~玄関編~

家事代行サービス会社では、他人を我が家に上がらせることに躊躇されるお客様が安心してサービスを利用できるよう、スタッフ向けのマナー研修があります。

マナー研修の内容は各社ともに工夫をしており、明るい笑顔での挨拶や清潔な身だしなみ、立ち振舞い、言葉遣いなど様々です。お客様への気遣いはとても大切ですが、マナーには知っているようで知らないことも多々あり、実技研修よりも重きを置いている会社もあります。

いざお客様の前に出ると当たり前のことができないこともありますが、研修で何度も繰り返していくうちに、何の迷いもなくすっと「いつでも、どこでも、誰にでも」できるようになります。

また、ただやるのではなく「何のために」やるのかを理解することで、お客様への安心感が変わります。挨拶一つにしても、「おはようございます。〇〇様」と先手で明るくお名前まで声をかけるだけでも、印象が変わります。

インターフォンから見られている

スタッフのマナーはインターフォンを押すところから始まります。インターフォンに映るお顔や表情は、カメラに見事に映し出されます。整った髪型、作業の際に時間が経っても乱れない髪型で、清潔かどうかを意識しましょう。

毛髪には名前は書いてありませんが、1本でも落ちていると不快なものです。そして、髪の色も大事です。どんなに人柄が良くても、ぱっと見の第一印象はイメージの80%を作ってしまいます。自然な髪の色は好ましいものです。

メイクはノーメイク派の方もいますが、お化粧は身だしなみの一つです。客人の多いお客様のの中にはノーメイクの方はNGという方もいます。ただし、つけまつ毛やばっちりメイクもお仕事にもふさわしくありません。

身だしなみは、着用する服が作業にふさわしいものか、動きやすいものかを意識しましょう。夏には作業時に汗をかきます。本人には気付きにくいのですが、スタッフの体臭が残り、お客様からクレームが来ることもあります。1日に2件の家庭を訪問するのであれば、1枚余分に持ち合わせ、着替えるのも大切なお客様への気遣いとなります。

また、インターフォン越しの声も意外と耳に残るので注意をしましょう。暗い声の方は我が家にあげたくないものです。家庭で何かあったのか、体調が良くないのかなど色々と想像してしまいます。

玄関のマナー

玄関に入るときは、扉は丁寧に開け、両手で静かに閉じるまで持つようにしましょう。扉の開け閉め一つにも気遣いが現れるのです。また、玄関では、礼儀作法を意識しているかも見られます。大事なのは明るい先手の挨拶、語先後礼の挨拶とお辞儀です。お辞儀には、語らなくても「本日はご利用ありがとうございます。どうぞよろしくお願いします。」と丁寧な気持ちを込めましょう。

お辞儀の角度により意味合いも変わります。通りすがりの挨拶となる「会釈」の角度は15度と浅いお辞儀ですが、挨拶や出迎え、見送りをするときの「敬礼」の角度は30度。謝罪や最高の感謝を表す「最敬礼」は45度となります。

敬礼を一度しっかりするだけでよいにも関わらず軽い会釈を何度もするスタッフさんもお見受けします。そのたびにお客様も返されているのです。

玄関に入り、挨拶も終わったら、次は框への上がり方です。ここでは履いてきた靴の汚れが際立ちます。靴のお手入れをしっかりしておかなければなりません。スタッフは客人ではないので、真ん中から堂々とは上がらず左右どちらか扉に近い方から上がります。

靴の脱ぎ方は、お客様に背を向け、踵からあがるのはNGです。正面を向いたままあがり、お客様にお尻をむけないように斜めに立ち、しゃがみ靴を揃え、壁寄りに置くと綺麗なしぐさになります。

お客様の靴が散乱していて置く場所が無いときは、それらの靴を掻き分けて置くのではなく、まずはお客様の靴を揃えてさしあげてからになります。このときに気を付けなければならないことは、お客様に恥ずかしさを感じさせないよう、ささっと済ませる気遣いです。

まとめ

いかがでしょうか。「凡時徹底」あらゆることに心が行き届いていることが大切です。身だしなみや立ち振舞いの些細なしぐさも、お客様の大切な物の扱いや作業に心が現れます。簡単で単純なことほど疎かにしないでいただきたいものです。

良い出会いが、ありますように。

マダムアクツ

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阿久津 さとみ

マダムアクツメイドサービス代表。東京都生まれ。嫁入り修行として、室町時代から継承されている武家礼法を学び師範を取得。その後、家事代行会社のスタッフ輩出教官を経て、家事代行会社を設立。お家事(うちごと)を通してお掃除・お片づけについてセミナーを主催し「帰りたくなるお家」を提唱。