掃除や消臭に活躍してくれる重曹。じゃあ洗濯にも使えるのでは?とお思いかもしれません。しかし、重曹を洗濯に使う場合にはいくつか注意点があります。また、間違った使い方をしてしまうと、汚れが落ちないばかりか、洗濯機の故障につながることも。今回は、重曹を洗濯に使う場合の正しい方法について解説します。
普段の洗濯には重曹は向かない?
アルカリ性の重曹は、キッチンの油汚れなど酸性の汚れに効果があります。そのため、洗剤に重曹を混ぜて洗濯すれば、さらに汚れ落ちがよくなるような気もしますよね。しかし、重曹はアルカリ性が少し弱く、洗浄力が弱いため、じつは洗濯にはあまり向いていません。粉末の合成洗濯洗剤がpH9〜11なのに比べて、重曹はpH8.5ほど。洗濯洗剤に混ぜて使うとpHが下がってしまい、汚れ落ちが悪くなってしまいます。また、重曹は水に溶けにくく、洗濯機が詰まってしまうトラブルになる可能性も。機種によっては、「重曹を使わないでください」と明記してある場合もあり、注意が必要です。
こんな汚れには効果あり!重曹を使ってきれいに洗濯しよう
洗濯機での洗濯にはあまり向かない重曹ですが、以下のような使い方なら、落ちにくくて困っている汚れなどに効果を発揮します。ただし、重曹はシルクやウールといったデリケートな素材を傷めてしまうため、使わないようにしましょう。
黄ばみや食べこぼし汚れに
油汚れに強い重曹は、黄ばみや食べこぼしといった皮脂汚れを落とすのに活躍します。やり方は簡単。重曹を少量の水で溶いた重曹ペーストに中性洗剤を混ぜたものを、汚れ部分に塗りこみます。さらに、40℃ほどのお湯に洗濯洗剤を少量溶かして、その中に30分ほどつけ置きしましょう。最後にお湯を捨て、そのまま洗濯機で洗うだけ。落ちないかも、と思った汚れもすっきりきれいになります。
汗やタバコのにおいに
消臭効果のある重曹は、衣類のにおいも消してくれます。洗面器に40℃ほどのお湯を張り、小さじ1杯ほどの重曹を溶かし、その中に衣類を30分ほどつけ置きします。その後、いつも通りにそのまま洗濯しましょう。
洗濯できないぬいぐるみの汚れに
自宅で洗濯するのが難しいぬいぐるみの汚れも、重曹で落とすことができます。ぬいぐるみをすっぽり入るビニール袋にたっぷりの重曹とともに入れ、口をしっかり結び、しゃかしゃかと振ります。しっかり全体に重曹がまぶされたら、数時間〜1日置きましょう。そして、袋の中ではたいて重曹を落とし、落ちない重曹はハンディ掃除機などで吸い取ります。最後に、濡らしてしっかり絞ったタオルで拭けば、すっきりきれいに!
洗濯は重曹を上手に活用しよう
料理に掃除など、さまざまな場面で活躍する重曹ですが、洗濯に使う際は大切な衣類を傷めたり、洗濯機のトラブルを招いたりすることもあるので、注意が必要です。どんな場面でも使える、と過信せず、汚れのタイプや使う場面などをしっかり見極めて使うようにしましょう。重曹を賢く使って、頑固な汚れや嫌なにおいを解消しませんか?

みすみぞの いずみ

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