家事代行サービスの依頼時に起こりうるトラブルは?安全に利用するポイント10選

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キッチン

家事代行サービスは自宅にスタッフに来ていただいて家事をしてもらうため、初めて家事代行サービスを利用する方は不安もあるかもしれません。また利用したことのある方も、できる限りトラブルを避けたいものです。依頼後のトラブルを防ぐためには、事前にどのようなトラブルが起こりうるかを想定し、予防策を講じておくことが重要です。また、もし万が一トラブルが発生した場合の対策についても頭に入れておくことで、被害は最小限に抑えることができます。

ここでは、家事代行サービスをめぐる主なトラブルとその予防策、対応策についてまとめました。初めて家事代行サービスの利用を検討されている方、家事代行は利用したことがあるけれど、違う家事代行サービスを利用してみたい方、これからもトラブルなく家事代行を利用したい方は、ぜひ参考にしてください。

目次

1. 家事代行サービス依頼時によくあるトラブル

家事代行サービス依頼時によくある代表的なトラブルとしては、下記が挙げられます。

  • 料金に関するトラブル
  • 作業内容に関するトラブル
  • 家具や物品の破損
  • 貴重品の盗難
  • 担当スタッフとのトラブル

ここでは、それぞれのトラブルについて詳しく説明していきます。

料金に関するトラブル

家事代行サービスをめぐるトラブルのなかでも一番厄介なのが、お金に関する揉めごとです。家事代行サービスの料金体系は会社によって大きく異なるうえ、費用の内訳も様々です。また、同じ会社でも複数のプランが用意されており、プランによってはもちろん、依頼する頻度によっても料金は変わってきます。さらに、家事代行サービス会社の多くがウェブサイトに掲載しているプランとは別に、利用者の自宅やライフスタイルに応じたオーダーメイドのプランを作成してくれるため、そもそもウェブサイトに掲載されている料金体系とは異なる金額を提示されることもあります。そのため、家事代行サービスを依頼する際には、下記の点をしっかりと明確にしておき、自身が依頼した場合に総額でいくらかかるのかを理解しておく必要があります。

  • 1時間あたりの料金と最低依頼時間(2時間以上からのケースがほとんど)
  • 延長時間の単位(10分単位・30分単位が多い)と延長料金
  • スタッフの交通費(一律か実費か)
  • 鍵の預かり費用(無料か有料か)
  • スタッフの指名料
  • キャンセルポリシーとキャンセル時の費用
  • その他にかかる費用
  • 税金を全て含めた金額

家事代行サービス会社と契約する際は、上記の内容を全てクリアにし、自分が依頼をする場合、一回あたりの費用と月額の総額費用がいくらかかるのか、その内訳も含めて完全に理解したうえで契約することを心がけましょう。

作業内容に関するトラブル

家事代行サービスをめぐるトラブルの中で、最も多いのがこの作業内容に関するトラブルです。具体的には、依頼した内容をしっかりとこなしてもらえないというケースです。実際に日経DUALが読者を対象に実施したアンケート調査でも、家事代行サービス利用者の中で挙げられた不満の第1位として、「スタッフが依頼内容を十分にこなしてくれない」(55.4%)という点が挙がっています。

こうしたトラブルが起こる理由は「スタッフが依頼内容を守らなかった」というよりも、「時間が足りず、そこまでできなかった」というケースがほとんどです。これは、依頼主とスタッフとの間で「綺麗にする」というイメージを正しく共有できていなかったり、優先順位を伝えきれていなかったりすることで起こります。

例えばキッチン、浴室、洗面所などのように清掃して欲しい箇所がたくさんある場合には、全てをざっとでも良いのでくまなく掃除してほしいのか、それとも優先順位をつけて高い箇所から丹念に掃除してほしいのか、など依頼主の要望を明確に伝える必要があるのです。

破損

家事代行スタッフの方が掃除機をかけているときに家具の一部を傷つけてしまう、食器洗い中に食器を誤って割ってしまうなど、室内にある家具や物品を破損してしまうリスクはゼロではありません。いくら細心の注意を払っていたとしても、人間が行う作業である以上、一定の確率で事故は起きてしまいます。家事代行サービス会社を選ぶ際は、万が一の事故に備えて損害賠償保険に加入している会社を選ぶのは最低限のリスクヘッジです。ただし、保険により賠償金を手にしたとしても、破損したもの自体が元に戻ってくるわけではないので、本当に大事なものは目に触れず、手に届かないところにしっかりと保管しておくことが重要です。

盗難

いくら家事代行サービス会社がしっかりした会社だとしても、赤の他人を部屋に入れる以上は盗難のリスクがないわけではありません。不在時に家事代行サービスを依頼する場合、盗難のリスクは上がりますので注意が必要です。また、家事代行サービス会社を利用する方の中には、部屋に高級な家具や調度品、貴重品などが多くある家庭も多いと思いますが、そのような方は特に気をつけましょう。貴重品は部屋に置かない、金庫に保管するなどの予防策を講じておきましょう。

担当スタッフと合わない

先ほどご紹介した日経DUALが読者を対象に実施したアンケート調査において、家事代行サービスに対する不満として第2位に上がっているのが「利用の際、依頼内容の伝達など、スタッフとの連絡がうまくいかずストレスになる」(32.1%)という点です。依頼主とスタッフはお互いに人間ですから、やはり相性がありますし、いつもスムーズにコミュニケーションがとれるとは限りません。スタッフとのやりとりがストレスになってしまってはせっかく家事代行サービスを依頼する意味も半減してしまいます。家事代行サービス会社を選ぶ際には、スタッフ変更の可否や、気に入ったスタッフの指名ができるのかなどもしっかりと確認しておくようにしましょう。

2. トラブルを未然に防ぐための対策10選

上記では家事代行サービスをめぐる様々なトラブルについてご紹介してきましたが、ここでは改めて上記のようなトラブルを未然に防ぐために、事前にとっておくべき対策について整理しました。はじめて家事代行サービスを依頼する方は特に下記の点を心がけましょう。

  1. 契約前にサービス内容・料金体系をしっかりと確認する
  2. 契約書面や規約、見積もり書は細部までしっかりと読み込む
  3. 初回の作業見積もり時に、あまり部屋を綺麗にし過ぎない
  4. 依頼したい内容、優先順位、細かい要望は具体的かつ明確にまとめておく
  5. 貴重品はしっかりと保管する
  6. 損害賠償保険の有無と適用範囲についてしっかりと確認する
  7. スタッフの採用・研修体制についてしっかりと確認する
  8. いきなり定期利用を契約せず、まずはお試しプランを利用する
  9. 作業前の状況は写真に残しておく
  10. 室内にカメラを設置する

それぞれのポイントについて説明していきます。

2-1. 契約前にサービス内容・料金体系をしっかりと確認する

サービス開始後の認識の齟齬をなくすために、契約前に、依頼できるサービス内容の範囲やサービス品質のレベル感、それにかかる詳細な料金の内訳、追加料金発生の条件、キャンセルポリシーなどについてしっかりと確認しておきましょう。

特にサービス内容については、「綺麗にする」といったときの「綺麗」の定義は人により大きく異なります。例えば洗面所の清掃で言えば、埃やチリが落ちていない状態を「綺麗」とする人もいれば、洗面台の蛇口や鏡にいたるまでピカピカに磨き上げてはじめて「綺麗」だと感じる人もいます。このような作業品質のレベル感についても共通認識を持っておく必要があります。

2-2. 契約書面や規約、見積もり書は細部までしっかりと読み込む

契約をする際は、書面やサービス規約、提示された見積書などを細部までしっかりと読み込み、少しでも不明な点や疑問があるときは、面倒でも必ず家事代行サービス会社に確認することを心がけましょう。

2-3. 初回の作業見積もり時に、あまり部屋を綺麗にし過ぎない

家事代行サービスを依頼すると、一般的には最初に依頼する作業内容の擦り合わせ、作業時間と料金の見積もりをするために家事代行サービス代行会社のスタッフが自宅にやってきます。その際、他人が家に来ることを意識して少しでも部屋を片付けておこうとする方や、少しでも見積もりが安くならないかといつも以上に掃除をしたうえで担当スタッフを自宅に迎える方もいるのですが、最初の作業見積もり時には、できる限り室内を普段のままにしておくことが重要です。

そうしないと、スタッフが必要以上に作業時間を短く見積もってしまい、いざサービスを開始してみると作業時間内に依頼内容が終わらない、延長料金を請求されるといったトラブルが発生する原因にもなってしまいます。そのため、家事代行サービスを利用する際には普段どおりに散らかり、普段どおりに汚れている室内を見てもらったうえで作業時間や料金の見積もりをとってもらうことがトラブルを防ぐコツとなります。

2-4. 依頼したい内容、優先順位、細かい要望は具体的かつ明確にまとめておく

サービス依頼後の作業内容に関するトラブルを避けるうえで重要なのは、事前に依頼したい内容とそれぞれの作業の優先順位、作業中に特に意識して欲しいポイントなどの細かい要望を、できる限り具体的かつ詳細にまとめておき、担当スタッフに共有することです。

作業内容と指示が明確であればあるほどスタッフは効率よく作業を進めることができるため、無駄な時間もなくなり期待通りの仕事をやってもらえるようになります。家事のプロに任せるのだからといって全てを丸投げにするのではなく、相手が仕事をしやすいように依頼するというのも大事なポイントです。

2-5. 貴重品はしっかりと保管する

物品の破損や盗難を防ぐためには、貴重品は目に見えない場所や金庫などにしっかりと保管しておくことが重要です。また、移動はできないものの、どうしても傷つけて欲しくない高級な家具などがある場合には、予めスタッフの方にその家具の周囲だけは掃除機をかけなくてよいと指示するなどして、自ら万が一のリスクを少しでも減らすための予防策を練っておくことが重要です。

2-6. 損害賠償保険の有無と適用範囲についてしっかりと確認する

万が一家事代行の作業中に物品の破損や盗難などが起こってしまった場合に備えて、家事代行サービス会社が損害賠償保険に加入しているかどうか、加入している場合、適用範囲や金額などの詳細についてしっかりと確認しましょう。基本的に大手の家事代行サービス会社はどこも保険に加入していますので安心ですが、新興系の小規模な会社に依頼する場合は特に注意が必要です。

2-7. スタッフの採用・研修体制についてしっかりと確認する

家事代行サービス業界は急激な需要の高まりを受けて人材不足に陥っており、会社によってはスタッフの採用基準を下げて家事スキルやコミュニケーションスキルが不十分な人材を採用していたり、しっかりとした研修も行わないまま現場に配属したりしているケースがあります。このような会社に依頼をしてしまうと、作業内容や物品破損などトラブルが発生する確率が高くなるので、家事代行サービス会社を選ぶ際には、その会社の採用体制や研修体制についてもしっかりと確認することをおすすめします。

2-8. いきなり定期利用を契約せず、まずはお試しプランを利用する

大きなトラブルを防ぐ一つの方法として、いきなり定期利用プランで契約するのではなく、まずはお試しプランやスポットプランなどでその会社やスタッフの対応を見極めてから、正式に定期利用を依頼するという方法がおすすめです。できれば、複数の会社のお試しプランを試し、しっかりと比較検討をしたうえでベストな会社を選ぶのがおすすめです。

2-9. 作業前の状況は写真に残しておく

物品の破損や清掃の品質などについて不安がある場合や問題を感じたときは、後で家事代行サービス会社に事実を正確に伝えることができるよう、作業前の状況を証拠としてしっかりと写真に残しておくのもおすすめです。

2-10. 室内にカメラを設置する

自宅の中に不在時に他人を上げるのがどうしても不安という方は、室内に家庭用の防犯・監視カメラを設置しておくのもおすすめです。最近ではスマートフォンなどで遠隔からでも室内の様子をリアルタイムで確認できる便利なシステムなども出てきていますのでおすすめです。カメラを設置しておけば、スタッフの作業中の様子も確認できますし、万が一問題が見つかればその映像を証拠として家事代行サービス会社にクレームを出すことも可能です。

3. トラブル発生時の対処法

上記ではトラブルを未然に防ぐ予防策をお伝えしてきましたが、それでも予想外のトラブルが発生してしまった場合はどのようにすればよいか、ここではトラブル発生時の対処法についても簡単にご紹介しておきます。

  • 家事代行サービス会社に連絡をとる
  • クーリングオフ制度を活用する
  • 消費生活センターに相談する

家事代行サービス会社に連絡をとる

家事代行サービスの利用中、スタッフとの間にコミュニケーションや作業内容、破損や盗難などに関するトラブルが発生した場合、まず連絡をとるべきはスタッフの派遣元となる家事代行サービス会社です。トラブルの内容や発生日時などを正確に伝え、問題解決に向けて動いてもらいましょう。スタッフ変更が必要な場合にも申し出ましょう。

クーリングオフ制度を利用する

契約締結後でも、家事代行サービスにはクーリングオフ制度を適用することができます。ただし、クーリングオフはあくまで訪問販売などで強引に契約させられたなど不意打ち性のある販売活動から消費者を守るための制度であり、全てのケースで認められるわけではありません。クーリングオフの適用については契約時の書面に明記されているはずですので、契約前に書面で規約をしっかりと確認するようにしましょう。

消費生活センターに相談する

契約当事者同士での話し合いではトラブルの解決が難しいと感じた場合は、国民生活センターないし地域の消費生活センターに相談しましょう。既に国民生活センターには家事代行や清掃代行サービスをめぐる数多くのトラブルに関する相談が寄せられており、一定の事例も蓄積されています。自分ひとりで悩みを抱えるのではなく、相談員に相談した上で適切な対処の方法を学びましょう。

4. まとめ

いかがでしょうか?トラブルのリスクをゼロにすることはできませんが、事前の予防策と事後の対応策をしっかりと把握しておくことで、トラブルによる被害を最小限に抑えることができます。家事代行サービスはコミュニケーションが肝となるサービスである以上、存分に価値を引き出すためには依頼する側の準備や配慮も求められるということを頭に入れておきましょう。

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