ヴィーガンレザー(ビーガンレザー)とは・意味

ヴィーガンレザーは、動物性の皮は使わず、化学繊維や植物を材料とした素材です。フェイクレザー、代替レザーと呼ばれることもあります。ヴィーガンレザーはもともと動物の搾取を避けるため、また皮の安価な代替品として開発されてきました。近年では動物保護だけでなく、環境保護やサステナブルな観点からも注目を集めるようになっています。2018年頃から世界のハイブランドが動物由来の毛皮を使用しない「ファーフリー宣言」を発表したことで、ファッション業界におけるヴィーガンレザーの使用が加速しました。

軽くて水や汚れに強く、比較的安価なことから、現在は、自動車のシートや靴、財布、バッグなど幅広い製品に使われています。ヴィーガンレザーは、素材の違いによって主に3種類に分けられます。

合成皮革

ベースとなる生地や織物にポリウレタンや塩化ビニルなどの樹脂でコーティングしたもので、表面層のみを天然の革に似せた人工素材のことをいいます。色やバリエーションが豊富で、風合いに富み、水を弾いてくれ、安価なため大量生産に向く反面、時間とともに劣化して表面がベタついたり、ひび割れが起こります。

人工皮革

生地の構造から天然皮革を人工的に限りなく再現しようとしたものが人工皮革です。人工皮革は、ポリウレタンとナイロンの混合繊維で革のような繊維構造を再現し、表面樹脂が絡み合うように加工されています。天然皮革により近い一体感があるのが特徴で、耐久性やソフトな質感、通気性やフィット性にも富み、天然皮革にはないストレッチ機能性を有したものも少なくありません。

デメリットは、合成皮革同様ウレタンを含んでいるので経年劣化する点です。ただ、表裏一体構造の為、耐久性が合成皮革よりも高く、繊維構造が複雑に立体的であるため、とてもソフトであること。なによりも軽量であることなど、合成皮革の難点を解消し、本革の良さに近づけた素材となっています。人工皮革は、製品によってはほとんど本革と見分けがつかないほどの完成度で、使い勝手も良好ですが、一方で合成皮革と比較すると価格が高いのが難点です。

天然繊維

植物皮革とも言われます。中でもパイナップルの葉の繊維を利用して作られた「ピニャテックス」は有名で、高級ブランドが使用するなど注目されています。ほかにも、生ゴミとして処理されてきたりんごの皮や芯から作るアップルレザー、少ない水での生育が可能なサボテンを原料とするサボテンレザー、きのこの菌糸体を使った素材のマッシュルームレザーなどたくさんの種類が製品化されています。

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